神の名⑮

文語訳旧約で使われた日本語のエホバ(ヱホバ)は英語のJehovahからきているようですが、英語のJehovahの起源はというと、よく分かりません(笑)が、エホ証ではありません。

英語自体が古英語から近代英語を経て複雑な過程で形成されてきているので、英単語そのものに語源が分かっていないものもあります。

聖書に使われた起源としては、KJV(ジェームズ王欽定訳)の旧約側4個所で、さらに遡ると、KJVがかなりの部分を参照しているティンダル聖書ですが、表記はIehouahだったとか。さらにその前のウィクリフ聖書には使われていないようです。ウィクリフやティンダルという名前が示すように、聖書が英訳されること自体、プロテスタンティズムによる宗教改革と関連があり、カトリック側はラテン語ウルガタ訳を公認しています。

KJVに4箇所使われたことから、Jehovahがどれほど「広く知られた」表記だったのかもよく分かりませんが、その表記の是非や使用頻度についてキリスト教史で議論された様子はないようです。

KJVから約300年後、Jehovahを本格的に使用したアメリカ標準訳(ASV)が作られ、日本でもほぼ同時期にヱホバを旧約側に使用した文語訳が作られます。JWの前身、聖書研究者がキリスト教の伝統解釈を否定した独自の教理体系を作り始めたのも、この時期です。

この流れからすると「エホバ」聖書はまず非JWが作り(既存の聖書で自説を展開したラッセルはエホバ表記にそこまでこだわった様子もなく、聖書研究者初期もKJVが使われていた)、2代目さんが「神の唯一の組織」を自称し始めたとき、この表記を便宜的に採用して団体名をエホバの証人に変えた、と言えるでしょう(夜中の2時に彼が思いついたらしい)。

しかし彼らが独自翻訳を出すまでになると、先週の記事にあったように、新世界訳(新約)の直後に出された改定標準訳(RSV)では逆にJehovah表記をぱったりやめています。日本でもメジャーな現代語訳では「エホバ」は使用されていません。

さらにJehovahはJHVH(英語の発音がY→Jに、W→Vに変化した)にアドナーイ(ヘブライ語で主)の母音を充てた造語(誤読)との可能性が指摘され、最近はヤㇵという短縮形に示唆されるようにヤーウェ(ヤㇵウェ)がより原音に近いとの見方が主流です。

そこにJWを異端視する思惑がどれほど働いたのかは知りませんが、キリスト教側はJWなど相手にもしていないというスタンスですので、その影響は否定するでしょう・・が、KJVにも出ていたJehovahをクリスチャンが使いたがらないのは、正確な発音という可能性は薄いことが分かった上に、とある新興団体の商標に落とされてしまったのも一因かもしれません。

ただASVの版権取得からNWT ⇒ RSV発行などきれいな住み分けで、それ以降Jehovah市場はJWの寡占状態になっている事実を考えると、累計部数が数十億(数百億↑という説も)と言われるモンスター本を扱うキリスト教ビジネスが、裏でカルテルでも組んでるのかと勘繰りたくなります。

キリスト教に限らず、主要なくくりの内部でも宗派などの対立軸があった方が盛り上がっているみたいですし、人とカネも動くのでしょう。それなりに聖書を「研究」しようと思えば、一人で数冊↑は入手せざるをえませんからね。(このブログは陰謀論とは関係ありません)


話はそれましたが、JW側はJehovah誤読説を否定も肯定もせず(オリジナル発音は失われた以上、その正確さの議論は無意味という、そこはけっこう適当なスタンス)、広く知られてきた?からこれでいいじゃん?という割と曖昧(笑)で便宜的な基準で採用しているだけです。

古さ、に限ればマソラ本文のレニングラード写本ではエフワー/エフウィと読むように発音記号が打たれているらしく、それにはティンダルが使ったIehouahが近いのかもしれません。

以上をまとめるとこんな感じになるかと思います。

Jehovahの起源はさておき、中世英語圏で幾らか使われた時期があった

19~20世紀初頭にそのJehovahを使った訳が英語や日本語(ヱホバ)で作られる

(他の言語は調べてないので知りません汗)

Jehovahは誤読との見方もあって使われなくなり、現在はWT協会による寡占状態
(それで勧誘ビジネスしている団体という意味で)

続きます。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

GUABELLO

Author:GUABELLO
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR