天使と悪魔②

名を知ると支配できる、名を発声するとその力を利用できる、というのは古来からの宗教観念とも言われています。名前が付いている神は人が作った神話や伝承の類です。発声しないのが迷信的な恐れと言う人もいますが、発声する方もけっこう迷信的です。だから他の神々とは一線を画し、表記は決めてもみだりに呼ぶな、が厳格に適用されていったのかもしれません(私的推測)。

名は上位者が下位者に与えます。子がいずれ自分で名を選べる、という文化を自分は知りません。あらゆる生き物について、アダムがそれをどう呼んでもそれが名となった、というのは、地に住むすべての魂を従わせよとの命令を実践する一歩と考えられます。

「エヒイェ・・我在り」としか言わなかった至上者に名を与える者とはだれか・・その深遠な宣言を中東の一民族の伝承、まして現代の新興教団限定の神にスケールダウンするのはもったいない。


話を戻します。

モーセ中では使いは何回か名前を聞かれていますが、yhwhの顕現体?らしく頑なに名乗ることを拒否しています。やがて「ひとつの神」に直結した存在から、玉座の周りで「仕える神々」としての性格が強くなり、ダニエルの頃にはもうガブリエルやらミカエルやら名前まで付いてます。熾天使や智天使などの階級もあるようです。

ケルビムはすでにモーセ中に出てくるが、ヤコブやマノアに現れた名乗らない使いとはどこか異質で、回転する炎の剣とセットで出てくるあたりも何やら使役霊的なイメージがあります。ユダヤ人伝承では人型らしいが翼以外の外見について聖書には何も書かれていない。

名前が付いている天使としては↑の2天使だけが正典(ダニエル書)に入っていますが、他の伝承文書にはラファエルとかウリエルとか他にも固有名や階級名があります。預言者時代になるとセラフのように翼が生えて飛んでる姿形も定着します。はしごを使って地味に上り下りしていたモーセ時代のビジョン(創世記49章)とはかなり別物と言っていいかもしれません。

洪水前に人の娘と関係を持った「まことの神の子ら」も、何らかの特殊な遺伝的特徴を持つゆえに神々の眷属とみなされた氏族の類と解釈されています。彼らの末裔かと恐れられたアナキム人のような巨人族、手足の指が6本あるレファイム人、身長3mのゴリアテなんかも出てきますし、まあ設定的には何でもありの時代です。


それで旧約初期では堕天使という明確な概念はなく、翼を持つ天使と堕天使(悪魔)の二大勢力図はバビロニア虜囚前後に影響を受けた他教由来という見方もあります(ビジョンとはいえ牛や鷲や獅子の顔を持つ異形のケルビムまで出てくる)。名前にエル(エローヒームの1人?)が入っているものが多く、yhwh由来の天使名は全く見当たらないのも、もとの系統が違うからでしょうか。

ダニエル書は種々の象徴的な予言に不確かな部分(解釈の特定不能)があまりに多く、ユダヤ教ではそれほど重視しない人も多いとか。
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